最近では核家族化やライフスタイルの変化に伴い、「お墓を引き継ぐ人がいない」などの理由から、「墓じまい」をする人が増えています。
「墓じまい」とは、お墓を撤去して墓地を更地にし、使用権を返還することを言います。
今回は「墓じまい」の費用や、墓じまいをした後の遺骨の供養方法についてご紹介します。

「墓じまい」とは?

「墓じまい」とは、お墓を撤去して墓地を更地にし、使用権を返還することを言います。
ご遺骨は、その後どこか別の場所で供養する必要があります。
「墓じまい」は「改葬」という言い方もします。
墓じまいの理由には、核家族化や少子高齢化などに伴い、お墓を引き継ぐ人がいないことや、お墓の管理面などから自宅の近くもってきたい、などの理由があります。
お墓じまい

墓じまいをした後の遺骨は、どのようにするの?それぞれの遺骨供養方法

「墓じまい」した後の遺骨は、どのように処理するのでしょうか?
主に以下の方法があります。

【供養方法の種類】
1、納骨堂に納める
2、お寺の永代供養
3、手元供養
4、散骨(海洋散骨など)

1、納骨堂に納める

納骨堂とは、建物の中にあるご遺骨を収蔵することができる「納骨スペース」です。
お墓は外にありますが、納骨堂は室内に設けられていることが多いです。
最近はお墓の代わりに利用する人も増えています。

2、霊園や寺院の永代供養

お墓にいけない遺族に代わり、霊園や寺院に遺骨を渡して、永代に渡り(半永久的に)遺骨を管理して供養を行ってくれるサービスです。墓地用の土地や墓石の準備が不要のため、費用を抑えることも可能です。

3、手元供養

ご遺骨を少しだけ手元に残し自宅でご遺骨を管理・供養する方法です。「故人をいつでも故人を偲ぶことができる」「お墓を買う費用がかからないため、費用で悩むことが無くなる」などのメリットがあります。

4、散骨(海洋散骨、陸地散骨)

ご遺骨を粉砕して海や陸にまく「海洋散骨」や「陸地散骨」などの方法があります。
故人の遺骨を粉末状に砕き、海や川などへと撒きます。
お墓を建てる必要が無いため、その分の費用を抑えることができます。
故人がそのような埋葬方法を希望する場合には、そうした散骨スタイルもあります。

墓じまいの費用

墓じまいの費用
墓じまいにかかる費用は、15~30万円程度です。
内訳としては、墓石の撤去や閉眼供養の費用です。

 

▼墓石の撤去

8万~15万円

一般的に墓石の数・大きさ・平米数で費用が変動いたします。

 

▼閉眼供養

3万~10万円

宗派や地域によって異なりますが一般的に3万~10万円が相場とされています。

不安な場合は事前にご住職様へ聞いてみてもいいかもしれません。

▼離檀料

3万~20万円

墓地が寺院の管理する霊園にある場合必要になります。

閉眼供養とは?

「墓じまい」の際に必要な儀式が「閉眼供養(へいげんくよう・へいがんくよう)」です。「魂抜き」ともいいます。
もともとお墓を購入した時に、故人の魂をお墓に宿す「魂入れ」、「開眼供養(かいげんくよう・かいがんくよう)」と呼ばれる法要を行うことで、手を合わせる対象になるといわれていますが、逆に墓じまいの時には、お墓に宿った魂を抜く「閉眼供養」を行う必要があります。
「閉眼供養」では、お坊さんにお経をあげていただきます。この供養を行うことで、お墓に宿った魂を抜き、お墓を単なる物体に戻します。故人の魂ごと処分することにならないよう、必ず「閉眼供養」を行いましょう。

お葬式や法事でお世話になっている菩提寺か同じ宗派のお寺に連絡します。
または、近くのお寺に連絡をとったり、インターネットを利用するなどしてお坊さんを手配しましょう。

 

墓じまい後の供養にかかる費用の比較

費用の比較
墓じまいの後、納骨先をどのようにするかによって、追加で必要になる費用が大きく変わってきます。

1,納骨堂に納める

20万~150万円ほど

ロッカー型や仏壇型、可動型などいろいろなタイプの納骨堂があり20万円~150万程度です。タイプによっても費用が変わります。

2,霊園や寺院の永代供養

20万~150万円ほど

永代供養は、ご遺族に代わって霊園や寺院などがご遺骨を管理・供養しますが、永代供養墓の種類や供養の内容によって20万~150万円程度と金額が大きく変わります。一番費用を抑えられる「合祀墓」(遺骨を他の人と一緒の場所に埋葬するお墓)は1遺骨あたり5万円~30万円です。

合祀墓

遺骨を他の人と一緒の場所に埋葬するお墓で5万円~30万円程度です。

集合墓

礼拝の対象は他の人と一緒ですが、納骨スペースは個々に分かれているお墓で20万円~60万円程度です。

3,手元供養

数千円~

手元供養の場合、自宅で供養ができるので費用を抑えることができます。

手元供養品には、ミニ骨壷、ミニ仏壇、ペンダントなどあり、どれを選ぶかや、依頼業者によって費用が変わります

 

4,散骨(海洋散骨、陸地散骨)

海洋散骨というスタイルを選択した場合には、お墓を購入する必要がないため経済的な負担は少なくて済むという点も特徴です。

費用は5万円~30万円程度です。海洋散骨は単独で散骨を希望する場合、20~30万円と費用が上がります。

(火葬場から引き取った遺骨をご自身で砕く場合、業者に依頼する分費用が掛かりませんが、散骨場所も自分で探す必要があります。)

海と船

 

 

いかがでしたでしょうか?

今回は「墓じまい」の費用や、墓じまいした後の遺骨の供養方法についてご紹介でした。

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未来のお思託編集部
散骨、お墓、終活などの準備に関する様々な知識を持つ専門チームです。皆さまのお役に立つ情報をお届けするため日々奮闘しております。