巨大なバルーン使って散骨するのが「バルーン葬」
人工衛星やロケットを使用し宇宙へ散骨するのが「宇宙葬」
セスナ機やヘリコプターを利用し空から海へ散骨するのが「空中散骨」

バルーン葬と宇宙葬は、空や宇宙が大好きだったという方に、空中散骨は、空も海も大好きだという方におすすめの葬送方法のひとつです。これらの散骨方法を初めて耳にした方は多いのではないでしょうか?

もしくは、聞いたことがあっても内容までは知らなかったという方に、それぞれの特徴や料金について詳しくご紹介致します。

空や宇宙への散骨または空から海へ散骨できます

空や宇宙への散骨または空から海へ散骨できます
空や宇宙または、空から海へ散骨する場所を選べることをご存知でしょうか?それらを叶える散骨方法は下記の3つです。

  • バルーン葬
  • 宇宙葬
  • 空中散骨

バルーン葬は大きなバルーンと共に、宇宙葬は人工衛星やロケット共に宇宙へと運ばれます。セスナ機やヘリコプターから海へ散骨するのが空中散骨と呼ばれています。

これらは、生前に空や宇宙へ興味がある方やそれらに関係する仕事をしていた方が生前予約されたり、生前の故人の遺志を叶えるために遺族が依頼されたりするようです。

今回はこれらについて下記の内容を詳しくご紹介致します。

  • 選択する理由
  • 事前準備から葬送までの流れ
  • 料金
  • 法律やゴミ問題

亡くなったら空や宇宙へと考えていたけれど方法を知らなかったという方、色々な散骨方法を探しているという方の参考になりましたら幸いです。

バルーン葬を選ぶ理由

バルーン葬を選ぶ理由
バルーン葬は2000年代に入ってから注目されるようになった比較的新しい散骨方法です。

バルーン葬を選択する理由は、

  • 空港や飛行機など空に係わる仕事に携わっていた
  • いつでも空から故人に見守ってもらいたいという遺族の考え
  • 明るく送ってもらいたい

という方が殆どで、その中でも多くの方が跡継ぎがおらず散骨を考えていてバルーン葬と出合っています。

実際にバルーン葬を行った遺族は「大空でのびのびと自由に羽ばたいて、いつまでも空から見守っていてね」という思いで、条件に合う思い出の地や、自宅近くからバルーンを飛ばしているようです。また、一周忌や故人の誕生日に執り行う方もいらっしゃいます。

参列者は、遺骨の入ったバルーンを飛ばすと同時に好きな色の風船を一緒に飛ばすことができるので、悲しい気持ちが続いていたお別れも、最後は晴れやかな気持ちにもなりながら故人を送ることができるでしょう。

バルーン葬の散骨は、粉末状であれば、

  • 全ての遺骨
  • 一部の遺骨(分骨)

どちらでも可能です。

分骨し手元供養や先祖代々のお墓に納骨することで、散骨後お参りする対象が無くなり寂しくなることや、親族間の無用なトラブルを避けることができます。また、ペットと一緒の散骨(ペットのみも可能)のほか、別のバルーンで複数人の散骨が可能です。

バルーン葬は生前予約できるので、希望する場合は予約をし周囲にもそのことを伝え、さらに遺書などに記しておくとよいでしょう。

バルーン葬を行える場所

バルーン葬の魅力のひとつは、どこでも好きな場所で行えることではないでしょうか。ここでは、実際に行う場所の条件をご紹介します。

条件はあまり厳しくなく「近辺に高層ビル、電線などの障害物がない場所」とされています。範囲は、「5~20m四方」で業者により異なります。

この条件さえクリアできれば、海や山や湖、自宅の庭などから故人との思い出を振り返りながら行えるのがよいですね。ただし、山など土地の所有者の許可が必要な場合や、管理所有地で使用料が掛かる場合があるので、家族だけでなく業者ともよく話し合って場所を決定しましょう。

また、地域によってスタッフの交通費や宿泊費などが別途掛かる場合があるので、事前に確認しておくことをおすすめします。実際には、家の近くの駐車場や公園、河川敷などで行うことが多いようです。

もし、場所が思い浮かばず提案が難しい場合も心配しないでください。殆どの業者が「散骨する指定の場所」を持っているので、相談すればそちらを案内してもらえます。

また、さまざまな理由で立ち会うことができない場合は、委託散骨できる業者もあるので相談してみてください。

バルーンで散骨される仕組み

バルーンで散骨される仕組み
バルーン葬が大きな風船を利用することは理解できても、空に散骨される仕組みはどのようになっているか疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。そこで、バルーン葬で散骨される仕組みについてご紹介します。

バルーン葬で散骨される仕組み

遺族の手によって放たれた遺骨の入った大きなバルーンは、ぐんぐん空に昇っていきます。2~3時間後、成層圏(付近)に到達したバルーンは、気圧の関係で3~4倍に膨れ上がり破裂します。そして瞬く間に宇宙へと散骨されるのです。

バルーンは遺骨の入ったものだけではなく、何も入っていないバルーンを参列者も飛ばすことができます。青空の中、色鮮やかなバルーンが飛んでいく光景は、葬送に相応しい美しさがあります。

遺骨の入ったバルーンを飛ばすことは「夫婦」や「兄弟」など2人以上でも行えますが、それぞれ別のバルーンに遺骨を入れるため料金も追加で必要です。

バルーン葬の流れ

バルーン葬の概要はお分かりいただけたと思います。では、バルーン葬を希望した場合の事前準備から葬送当日までの流れをご紹介します。

バルーン葬を執り行っている業者は複数ありますが、どちらの業者も大まかな流れは同じです。

バルーン葬当日までの流れ
  1. バルーン葬を実施する場所、日程を決める
  2. 遺骨を業者へ送り、粉末化する(埋葬骨、古骨の場合は洗浄と乾燥を行う)
  3. 粉末化した遺骨が返却される(業者に預かってもらうことも可能)

バルーン葬当日の流れ(40~50分程で終了)
  1. 参列者一同、バルーン葬を行う現地に集合
  2. 遺族がバルーンの中へ遺骨を入れる
  3. バルーンにヘリウムガスまたは水素ガスを注入
  4. セレモニー開始(散骨される上空の説明あり)
  5. 黙祷及び遺族によるお別れのご挨拶
  6. 参列者全員バルーンを持ち、合図と共に「葬送」を行う
  7. 後日、遺族に「バルーン葬実施証明書」が送られる

バルーン葬は、小雨程度の天気ならば実施可能です。ただし、強風の場合は実施することができません。

前日の天気予報で強風注意となっていれば予定を変更することをおすすめします。天候が悪かった時のために、前もって予備日を作っておいて、参列者にも伝えておくといいかもしれません。

バルーン葬の料金

バルーン葬の料金
次にお話しさせていただくのは、バルーン葬に掛かる費用についてです。

バルーン葬の基本料金

24万円(散骨される人数が1名追加ごとに10~12万円程加算)
また、参列者20名分のバルーンリリース付き(1名分追加ごとに300円加算)
この料金はどの業者も概ね同じです。
※基本料金には遺骨の粉末化料金が含まれていませんので、遺骨の粉末化は2~3万円程度になります。

【料金の内訳について】

  • 業者によっては10~15枚程度、葬送中の写真撮影が付いてくる
  • バルーンは、白・赤・オレンジ・ピンク・黄・緑・青の中から選べる
  • 業者によっては、セレモニー時に好きな音楽をかけてもらえる(リクエストしてみましょう。)

故人の好きな色のバルーンや音楽で送ることができるのは、遺族にとってもうれしいですね。

ペットを一緒に散骨する場合は1体ごとに3~5万円程の追加料金がかかります。(ペットの粉骨料も別途になります。大体1万2千~2万円程。)

また、墓じまいなどで埋葬されていた遺骨などでは、遺骨の洗浄と乾燥代は1万5千円程度です。葬送終了後には、骨壺を3千円で引き取ってもらえるので、全て散骨する場合や、手元供養などする場合はお願いするとよいでしょう。

管理所有地などで葬送を行う場合の使用料、遠方での葬送に掛かったガソリン代と高速代は実費となります。また、宿泊を伴う場合は、スタッフ1人につき出張費の1万円(葬送当日以外)を支払わなければなりません。希望場所が管理所有地なのか、遠方で宿泊を伴うのかなど事前に確認することをおすすめします。

【その他】

  • 動画撮影(ドローンによる撮影も可能)
  • バルーンによるデコレーション
  • 手元供養用の小さな骨壺の用意

など、業者によって別料金でオプションの用意があります。

故人の遺志と遺族のためにも希望があれば業者に相談し、見積もりを出してもらい、予算を立てましょう。

バルーンリリースと法律

散骨について法務省、厚生労働省は「節度ある方法であるならば法律に触れることはなく遺灰を撒くことを禁ずるものではない」と非公式ながら見解を出しているようで、違法ではありません。

バルーンリリース後、風船が海や山に落ち、公害にならないかと心配な方もいらっしゃるでしょう。バルーン葬に使われる風船は100%天然ゴムの自然原料でできていて、日光(紫外線、太陽熱)、オゾン、雨、風、微生物等の自然環境により分解して土に還ります。

環境省は「バルーンリリースを制限する意図はなく、法律で規制することはまったく考えていない」という見解を出しているそうです。法律的にも環境的にも問題がないのであれば、安心して生前予約をしたり、故人を見送ったりできますね。

バルーン葬に興味が出てきた方は、実績のある業者に問い合わせてみてください。

宇宙葬を選ぶ理由

宇宙葬を選ぶ理由
宇宙と聞くとどのようなことを想像しますか?

夜空に輝く星や具体的な惑星を想像する方もいらっしゃれば、宇宙旅行に行ってみたい方もいらっしゃるでしょう。宇宙葬は、そんな宇宙が大好きだった方や宇宙旅行が夢だった方が利用している葬送方法です。

宇宙という壮大なスケールに魅力を感じた著名人が、生前葬に利用した例もあります。それは、宇宙を題材にした「銀河鉄道999」などの作品で知られる漫画家の松本零士さんです。

「自分の体の一部が宇宙を飛ぶのは不思議な気持ちで、夢みたいなこと。少年の頃から憧れ、作品にも書いてきたが、宇宙が身近になり夢が現実になった」と語り、宇宙に行けない自分の代わりに、切った爪を宇宙葬用のカプセルに入れて送りました。「自分の爪とはいえ、それが空を飛んでいくのは楽しい楽しい夢ですね」と取材に答えていらっしゃいます。

また、とある女優さんは「生きているうちは恐らく行けない宇宙に、亡くなった後に行けるというのは、ロマンティックでいいですね。亡くなってからも楽しみがあるなんて、とても素敵なことだと思います!」と、生前予約されています。

一般の方で生前予約される方もいらっしゃいます。

  • 亡くなったら星になりたいと思っていた
  • 小さな頃から宇宙が大好きだった
  • 旅行好きでいつか宇宙旅行に行ってみたいといっていた など

故人のために遺族が申し込むことが多いようです。なかには、故人の親族だけでなく生前親しかった友達や仕事仲間などで少しずつお金を出し合い、申し込んだ方もいらっしゃいます。

現在、日本で宇宙葬を取り扱っている業者は「Sorae」と、株式会社銀河ステージの「スペースメモリアル」です。どちらの業者も、遺骨の一部をパウダー状にしたものを専用のカプセルに入れて散骨するので、残った遺骨で手元供養することや先祖代々の墓地に納骨することができます。

宇宙葬を行う場所

宇宙葬を扱っている業者はアメリカの企業と提携するなどして、代理店として宇宙葬を取り扱っています。打ち上げは、アメリカにある宇宙基地や空軍基地から、商用や科学調査目的の人工衛星やロケットに搭載されて行われます。

宇宙へと打ち上げられるカプセルをなるべく近くで見送りたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために、別途料金で事前予約の上、打ち上げイベントに参加することができます。

とはいっても、現地までの交通費や滞在費がかかることも事実です。費用面のほか、さまざまな理由から現地まで行くことができなくても、ネットを通じて見送ることができますし、葬送終了後動画が送られてくるので安心してください。

たとえ現地に行くことができなくても、打ち上げの様子を見られるのは遺族としてはうれしいですよね。宇宙葬を行うことに協力してくれる方や親族などに動画を共有し、皆で故人を偲ぶのもいいでしょう。

宇宙葬の流れ

カプセルがアメリカで打ち上げられると分かったら、それまでの過程が気になりますね。ここでは、打ち上げ当日までの宇宙葬の流れを銀河ステージ及びSoraeを参考にご紹介します。

  1. 申し込み(料金の支払い)
  2. 【銀河ステージ】遺骨または遺灰を送る。【Sorae】送られてきた専用のカプセルに火葬した遺灰、遺骨を決められた分量まで入れて送り返す。
  3. 日本出発
  4. 現地到着
  5. 施設見学
  6. セレモニー
  7. お見送り(ネット配信も含む)
  8. 後日、記念品などが送られてくる

アメリカに見送りへ行かない場合、③~⑥の過程はありません。人工衛星と共に宇宙に打ち上げられたカプセルは、各社専用アプリを通じて追跡可能です。頭上近くを通る時に空を見上げ、故人を偲ぶのもいいでしょう。

打ち上げに失敗した場合や、カプセルを回収できなかった場合などは予備のカプセルを使用し、次の打ち上げで優先的に搭載してもらえますので大丈夫です。

宇宙葬専用カプセルには、

  • Sorae:1g(キットに入っているミニスコップで12杯分)
  • 銀河ステージ:1g、2g、3g、7g(4種類)

の遺灰を入れることが可能です。このカプセルが試算上、5週間から240年の間、ゆっくりと人工衛星と共に地球を周回し、最後は大気圏に突入し流れ星となります。

周回する期間は打ち上げられた高さによって異なるので、事前には分からないようです。最後は文字通り「お星さま」になるというのはロマンがあっていいですよね。

宇宙葬の料金

宇宙葬の料金
次に、宇宙葬の流れ同様、Soraeと銀河ステージそれぞれの料金をご紹介します。

Sorae(人工衛星に搭載し宇宙空間へ打ち上げる)

28万5千円(1g このプランのみ)

銀河ステージ

人工衛星プラン(人工衛星に搭載し宇宙空間へ打ち上げる)

  • 標準クラスシングル95万円(1g)
  • 標準クラスツイン142万5千円(2g)
  • ファーストクラスシングル190万円(3g)
  • ファーストクラスツイン285万円(7g)

 
宇宙飛行プラン(ロケットに搭載し高度100kmを超える宇宙空間へ打ち上げる)

  • 標準クラスシングル45万円(1g)
  • 標準クラスツイン67万5千円(2g)
  • ファーストクラスシングル90万円(3g)
  • ファーストクラスツイン135万円(7g)

 
月旅行プラン(NASAの協力の下、ロケットに搭載し月面まで運ぶ)

  • 標準クラスシングル250万円(1g)
  • 標準クラスツイン370万円(2g)
  • ファーストクラスシングル500万円(3g)
  • ファーストクラスツイン740万円(7g)

 
宇宙探検プラン(深宇宙探査機に搭載、いつまでも飛び続ける)

  • 月旅行プランと同額

プランにはそれぞれ、サービスが含まれているので確認してみましょう。

Sorae

立方体のカプセルに好きな英数字を3文字刻印可能、また人工衛星のパネルの一部にメッセージを入れることが可能。

銀河ステージ

筒形のカプセルに英数字25文字刻印可能。予備の遺骨も預かり使用しなかった場合、現地にて散骨してもらえる。

両社に共通のサービスとしては、後日、打ち上げ証明書、打ち上げた際の動画などが送られます。また、先にもご紹介した通り、人工衛星の追跡IDと、打ち上げが成功しなかった場合次回優先的に打ち上げてもらえる保証が付いています。

宇宙葬と宇宙ゴミについて

宇宙葬を行うと宇宙ゴミにならないかと心配される方もいらっしゃるでしょう。カプセルや人工衛星は役目を終え、落ちてくる際に燃焼し、流れ星となります。

カプセルだけが軌道上に残り、宇宙ゴミとなることはありません。法律的にはどうなのかというと、法務省が節度を持って行う散骨は遺骨遺棄罪にあたらないという非公式の見解を示しているとされています。

日本ではまだ新しい宇宙葬ですが、アメリカでは20年程前から行われている歴史と実績がある葬送方法ですので、ご安心ください。宇宙葬に興味を持たれた方は、日本で取り扱っている業者へ問い合わせしてみてください。

※参考サイト
銀河ステージ:https://xn--29sob915t.com/index.html
Sorae:https://space.minrevi.jp/

ヘリコプターやセスナからの空中散骨を選ぶ理由

ヘリコプターやセスナからの空中散骨を選ぶ理由
次にご紹介するのは、ヘリコプターやセスナ機から海へ散骨する「空中散骨」です。

空中散骨を選んだ方は故人が、

  • 大空を自由に飛び回りたいといっていた
  • 航空機が好き
  • 航空事業に携わっていた
  • 空に憧れていた

という方が多いようです。また、海洋散骨したい場所の波や潮の流れが強い、船酔いが心配という遺族の方がいらっしゃるようです。

特にヘリコプターからの散骨は、飛行禁止エリアでなければ、故人が大好きだった場所や自宅や会社などの上空を巡った後、希望する海域に散骨することができます。

実際に散骨を行った遺族の方は、

  • 「故人の希望する場所に散骨はできなかったけれど思い出の地を巡ることができてよかった」
  • 「青空から静かで美しい海に散骨できてよかった」

というような感想を持っていらっしゃいます。

また、飛行中に雲の切れ間から海へと差し込む光芒を見て感動した方もいます。故人が空も海も好きだったなら、故人とこういった日常では見られない景色を見たり故郷や思い出の地を巡ることができたりするのがよいですね。

空中散骨は、全ての遺灰を散骨するか、分骨して一部の遺灰を散骨するか選択できます。全て散骨してトラブルへと発展したり、手を合わせる対象が無くなり寂しくなったりすることがないよう、家族とよく相談をして、どちらにするか決めることをおすすめします。

空中散骨の流れ

空中散骨を執り行っている会社は複数ありますが、葬送当日までの大まかな流れは同じなのでご紹介します。

  1. 空中散骨へ申し込み(申込金を支払う場合有り)
  2. エリアや日程を決める
  3. 遺骨を業者へ預け、遺骨の粉末化(直接渡す場合と、ゆうパックで送る場合有り)
  4. 散骨当日のスケジュールや現地地図などの確認(郵送の場合有り)
  5. 前日に天候を確認後、飛行可能か連絡がある
  6. 散骨当日、ヘリポートまたは飛行場へ集合
  7. 希望場所を旋回(ヘリコプターの場合)
  8. 散骨海域到着
  9. 散骨(献花や黙祷、写真撮影など含む)
  10. ヘリポートまたは飛行場へ帰着
  11. 後日、散骨証明書や写真などが送られてくる

空中散骨は出発すると、1時間ほどで終わりますが、30分オーバーするごとに追加料金が掛かる場合があるので事前に業者に確認するとよいでしょう。

空中散骨できる場所

空中散骨は海洋散骨の方法の1つで、遺族や故人が希望する海域への飛行を行ってくれる業者もありますが、海域を指定している業者もあります。

主な指定海域は以下の通りです。

  • 相模湾沖
  • 駿河湾沖
  • 九十九里浜沖
  • 伊豆諸島(伊豆大島、三宅島、新島、御蔵島沖)

業者を選ぶ際は、希望の場所へ飛行してもらえるのか、指定の海域がある場合はどこなのか事前に確認することをおすすめします。

法務省が「節度を持った散骨は違法にならない」と見解を述べたとされているので、空中散骨は違法ではありません。散骨する際は遺骨を必ず粉末化し、業者が許可したもの以外は副葬品を撒かないようにすれば、空中散骨での節度を守れたと考えられるでしょう。

空中散骨の料金

空中散骨の料金
空中散骨はヘリコプターやセスナ機をチャーターして行います。

セスナ機の場合

20~30万円程(参加人数2人まで)
※チャーター料、遺骨の粉末化、献花、写真撮影、運営管理費、散骨証明書などを含んでいます。

ヘリコプターの場合

セスナ機より料金が高くなり20~50万円程(参加人数4人まで)

所要時間は1時間計算、30分超過するごとに15万円程加算される場合があります。料金の中に遺骨の粉末化料が入っていない業者は、遺骨の持参で3万円、業者に取りにきてもらう場合は距離により輸送費用が高くなるようです。

料金だけでなく、故人の遺志により近いのはどちらなのかを考えるとよい選択ができるかもしれません。

まとめ

1.「バルーン葬」「宇宙葬」「空中散骨」は、空や宇宙が好きだった方におすすめ
2.「バルーン葬」と「宇宙葬」は宇宙への散骨、「空中散骨」は空から海への散骨
3.「宇宙葬」は遺骨の一部しか散骨できず、「バルーン葬」と「空中散骨」は全て散骨するか一部を散骨するか選べる
4.どの散骨も法律的に問題はないが、遺骨は必ず粉末化する
5.業者では、どの散骨方法もゴミが出ないよう考えられている

散骨が一般的になりつつある近年でも、「バルーン葬」「宇宙葬」「空中散骨」は日本ではまだ新しい葬送です。無用なトラブルを避けるためにも、遺書に記したり親族とよく話し合ったりして理解を得ましょう。

また、依頼する場合は実績があり信頼できる業者に相談することをおすすめします。

著者情報

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未来のお思託編集部
散骨、お墓、終活などの準備に関する様々な知識を持つ専門チームです。皆さまのお役に立つ情報をお届けするため日々奮闘しております。