夏本番の8月になりました。和の暦では葉月といいますが、これは、葉が散り始めて落ちる「葉落月(はおちづき)」という意味があります。
いちねんでもっとも暑い季節ですが、暦の上では、立秋を迎え、秋の始まりです。
そして、8月は、ご先祖さまの霊を迎える「お盆」です。
でも、お盆の前にも、8月は、「秋田竿灯まつり」「仙台七夕まつり」「青森ねぶた祭」をはじめ、全国で、夏祭りが催されますが、一方、心静かに手を合わせて鎮魂する日も多いです。

8月5日には、京都の醍醐寺で、ご先祖と精霊(しょうりょう)を供養し、命の尊さに心を寄せる「醍醐寺万灯会(まんとうえ)」がおこなわれます。
日没とともに、参道の灯篭や提灯に、灯りが燈され、国宝の五重塔や金堂もライトアップされると、幽玄な世界が広がります。
これは、ご先祖さまや亡くなられた大切な人、そしてすべての“目に見えないいのち”“生きとし生けるもののいのち”に対して感謝の祈りを捧げるもの。
https://www.daigoji.or.jp/pdf/mantoe_flyer2023.pdf




そして日本人には忘れられない日があります。

8月6日 広島平和記念日 原爆の日
あの日の朝、雲一つない青空だった……。
1945年(昭和20年)のこの日、広島市内に原子爆弾が投下されて……。
広島平和記念公園では、毎年、朝8時から広島市原爆者慰霊式ならびに平和記念式典がおこなわれ、犠牲者の霊をお慰めするとともに、世界平和を啓蒙する日です。
8時15分には、私達も黙祷して、亡くなられた方々の御霊に手を合わせ、平和を祈り、一日を始めたいですね。
そして、陽が沈み夜になると、平和公園の横を流れる元安川では、灯篭流しがおこなわれます。

8月9日 長崎原爆の日
1945年(昭和20年)8月9日11時2分
快晴で風もなかったその日、長崎に二発目の原爆が投下されました。
長崎原爆の日には、毎年、平和公園の平和祈念像の前で、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典がおこなわれます。犠牲者の御霊をお慰めし、世界の恒久の平和を祈ります。
平和祈念像は、天高く上げて指を指す右手は、原爆の脅威を。左手は水平に伸ばし「平和」を、軽くとじているまぶたは、「原爆犠牲者の冥福を祈る」の想いが込められています。
前日の8日の夜には、「平和の灯り」が催されて、平和への願いを込めた手作りキャンドルに灯りをともし、犠牲者を追悼します。

そして、翌週の13日~ご先祖様を迎えるお盆となります。
その盆中日は、終戦記念日でもあります。

8月は、“いのち”について考え、そして偲び、故人やご先祖、戦争で亡くなられた方々、生きとし生けるもののいのちについて、心静かに手を合わせて鎮魂する月ですね。
1つ共通項があるのですが、わかりますか?
それは「灯り」です。万灯会、精霊流し、キャンドルとどれも、灯りを燈します。
お盆でも、盆提灯を灯しますが、これは、ご先祖や亡くなられた御霊が、迷わずに帰ってくる「目印」になるのです。

葉月、陽が沈んだあと、キャンドルやろうそくの灯りを灯して、“生きとし生ける”すべてのいのちの尊さ、そして故人の御霊のご供養に、灯りを灯してみませんか?

次回は、「お盆」の行事についてご紹介します。

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未来のお思託編集部
散骨、お墓、終活などの準備に関する様々な知識を持つ専門チームです。皆さまのお役に立つ情報をお届けするため日々奮闘しております。